未承認医薬品の明示(薬機法)

当院で使用しているマウスピース矯正装置「インビザライン」について

当院では、目立ちにくく快適な矯正治療を希望される患者さまに対し、アライン・テクノロジー社(Align Technology, Inc./米国)が開発・製造している「インビザライン(Invisalign)」というマウスピース型矯正装置を使用しております。この装置は、米国および世界各国で広く使用されており、世界中で1,500万人を超える症例実績を持つ矯正システムです。

「未承認医療機器」に関する法的な位置づけ

インビザラインは、アライン・テクノロジー社によって製造された矯正装置であり、現在のところ日本国内では薬機法(旧薬事法)上の「医療機器」としての製造販売承認を取得していません。そのため、厚生労働省による認可を受けている日本国内の医療機器とは異なり、「未承認医療機器」に分類されます。当院では、この装置を医療機関として個人輸入し、歯科医師の責任のもとで適切に使用しております。

個人輸入による入手経路

インビザラインは、米国アライン・テクノロジー社を通じて日本法人アライン・テクノロジー・ジャパン株式会社を経由し、歯科医療機関が個人輸入という形で正規ルートから導入しています。このため、装置そのものは国内での一般流通製品ではなく、厚生労働省の承認を受けていない海外製医療機器となります。ただし、当院ではすべて正規のライセンス契約を締結しており、メーカーの管理体制のもとで治療を行っております。

海外での承認状況

インビザラインは、以下の国・地域で医療機器として承認・登録されています。

・アメリカ合衆国(FDA:米国食品医薬品局)
・欧州連合(CEマーク取得)
・カナダ、オーストラリア、韓国、シンガポール、香港、その他多数の国々

これらの国々では、医療機器として安全性・有効性に関する一定の基準を満たしており、長年の臨床実績があります。

国内で使用される類似の矯正装置について

日本国内には、薬機法に基づき厚生労働省の認可を受けた「マウスピース型矯正装置(アライナー)」が複数存在します。これらは国内メーカーや歯科技工所が製作する装置で、認可を受けた材料・製造工程で作られています。一方、インビザラインは海外製の独自デジタルシステムを用いており、3Dスキャン(iTero)による精密なデータ解析とシミュレーション技術を特徴としています。治療工程や設計技術においては国内製品と異なるシステムを採用しているため、別の治療方法として位置づけられます。

安全性および有効性について

インビザラインは、世界的に多数の臨床データと研究に基づいて開発された装置であり、これまでの使用実績において重篤な副作用の報告はほとんどありません。しかしながら、国内での承認を受けていないため、日本の公的機関による安全性・有効性の評価は行われておりません。そのため、治療を受ける際は以下の点をご理解ください。

  • 治療効果には個人差があります。
  • 装着時間や使用状況によって治療結果が変わる場合があります。
  • 歯の移動に伴う痛み・違和感・一時的な発音障害などが生じることがあります。
  • 装置の破損や紛失により、再製作費がかかる場合があります。

医薬品副作用被害救済制度の対象外

インビザラインは薬機法で承認されていない医療機器のため、治療後に万が一健康被害が生じた場合でも、「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となります。そのため、万が一のトラブルに対しては、歯科医師が責任を持って対応させていただきます。当院ではリスクの事前説明を十分に行い、患者さまがご理解・ご納得のうえで治療を受けられるよう努めております。

医師の管理・責任のもとでの使用

当院では、歯科医師が患者さま一人ひとりの歯列・骨格・噛み合わせの状態を総合的に診断した上で、インビザライン治療の適応可否を判断しています。治療計画の立案からアライナー作製、装着・調整・経過観察に至るまで、すべて歯科医師が管理を行い、安全性を確保しています。治療中のトラブルや不安に対しても、迅速に対応いたしますのでご安心ください。

厚生労働省への情報開示方針

本ページの記載は、厚生労働省が定める「医療広告ガイドライン」および「未承認医薬品等に関する適正広告ガイドライン」に準拠しています。インビザラインは日本国内での薬機法上の承認を受けていない医療機器であるため、その旨を明確に表示しております。治療に関してご不明点や不安がある場合は、カウンセリング時に担当歯科医師までお気軽にお尋ねください。

まとめ

インビザラインは、世界的に実績のある信頼性の高いマウスピース型矯正装置ですが、薬機法上は「未承認医療機器」に該当します。当院では、患者さまに正しい情報をお伝えしたうえで、安全で適切な治療を提供できるよう努めております。治療をご検討の際には、装置の特徴・リスク・他治療法との違いについて十分にご理解いただき、ご納得のうえでご選択ください。